治療計画、補綴修復、歯周病(インプラント)、歯内療法のスタディグループはデンタルスクウェアジャパン(DSJ)へ

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【DSJ/デンタルスクウェアジャパン】治療計画は「Simple is the Best」

 

皆さまこんにちは。DSJボードメンバーの土屋嘉都彦です。お陰様で満席の申込みを頂いております「治療計画のサイエンスとアートーアメリカ補綴専門医が考えるコンセプトを基に-」第1回開講まで2ヶ月になりました。どのようなセミナーが先生方のお役に立てるか、木戸先生と最後の打ち合わせをしているところです。補綴の治療計画というと、難しい咬合の検査を多く行い、顎運動または筋肉の状態をチェックして、パントグラフと取って…といった難解なイメージを持たれている先生方もいらっしゃるかも知れません。自分が今回このセミナーで伝えたいことのひとつが、治療計画は「Simple is the Best」」ということです。詳しいお話はセミナーでお伝えしますが、このことを違った角度からみると、いま日本で問題になっている労働生産性の改善に繋がるのではと考えます。

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2017年12月20日に公益財団法人 日本生産性本部は、「労働生産性の国際比較 2017年版」を発表しました(https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2017.pdf)。労働生産性とは、1人の労働者がどのくらいのモノやサービスを生み出したかを示す指標だそうです。ウェブ上ではこの発表の正当性に対して賛否両論あるようですが、正しいと仮定してお話させて頂くと、日本の生産性は、

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  1. 日本の時間当たり労働生産性は46.0ドルで、OECD加盟35ヵ国中20位。主要先進7カ国でみると、データが取得可能な1970年以降、最下位の状況が続いている。(OECD:経済協力開発機構)
  2. 日本の1人当たり労働生産性は、81,777ドル。OECD加盟35ヵ国中21位。
  3. 製造業の労働生産性は95,063ドル。これは、為替レートがこのところ円安傾向に振れている影響が大きく、順位でみると1995年以降では最低(タイ)の14位となっている。

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と、とても低いものになっています。日本と比べて、1人あたりの労働生産性と労働時間あたりの生産性がいずれも高い国には、デンマークやオランダ、ドイツ、フランスがあるようです。これらの国は労働時間が日本よりも10~20%程度短いが、「短い労働時間で効率的に成果を生み出すことで経済的に豊かな生活を実現している」とみられています。一般的には、労働生産性の改善には、労働者のスキルアップ・業務効率化や経営効率の改善が必要だそうです。

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それでは、日本の歯科医療の生産性はどうでしょうか? 海外と比較して医療費が安く(特に保険治療)さらに欧米に比べ長時間診療をするので、生産性は非常に低いと考えられます。日本の歯科医療で生産性を上げる方法として効率化が挙げられますが、器用で勤勉な日本人はすでに効率よく働いているのではないでしょうか? そこで、生産性向上のために、治療計画を効率良くシンプルに行うことが役立つと考えます。それにより、治療も単純化し、治療時間および来意回数も減らすことができます。医療と生産性を結び付けるのを不快に思われる先生もいらっしゃるかと思いますが、効率的に治療を進めていくことは、来院回数、診療時間の短縮につながり、我々医療を提供する側のみならず、医療を受ける側にも恩恵があると考えます。今回の治療計画セミナーでは、「必要なものを必要な分だけ」「Simple is the Best」といったこともお伝えできればと思います。

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最後になりますが、いよいよ今週末にDSJ設立記念講演が福岡で行われます。多くの先生方にお会い出来るのを楽しみにしております。

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DSJボードメンバー:土屋嘉都彦