治療計画、補綴修復、歯周病(インプラント)、歯内療法のスタディグループはデンタルスクウェアジャパン(DSJ)へ

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【DSJ/デンタルスクウェアジャパン】アメリカから新年のご挨拶

 

皆さま、あけましておめでとうございます。DSJアドバイザリーボードメンバーの嘉村康彦です。お正月いかがお過ごしでしょうか?テキサスの正月は短く、明日2日から仕事始めです。。。

 

歯内療法のクリニックでは強い痛みを主訴に急患来院される方は大変多いです。術中、術後の痛みのマネージメントは大変重要であることは言うまでもありません。術中は麻酔薬、術後は消炎鎮痛薬を使用し、痛みのマネージメントを行います。

 

あくまで私の個人的な印象ですが、日本においての麻酔の第一選択は部位、治療法を問わず、浸潤麻酔であるのではないでしょうか?歯学部教育においても、浸潤麻酔の使用頻度が多かったように記憶しています。前述の通り、歯内療法専門医は「痛みのマネージメント」を適切に行うために、部位、処置、処置歯の状態などの臨床状態を的確に判断し、麻酔薬の方法や選択もエビデンスに基づき決定します。

 

臨床家が最も頻繁に遭遇する麻酔の失敗は下顎の大臼歯です。米国をはじめとする歯科先進国と言われる国において、下顎大臼歯の麻酔の第一選択は下顎孔伝達麻酔(Inferior alveolar nerve block:以下IANB)です。特に症状のある不可逆性歯髄炎の歯牙においてはIANBを行った後に、補助麻酔として浸潤麻酔もしくは歯槽骨内麻酔が使用されることがスタンダードです。IANBの他にGow-gatesやAkinosiなどの伝達麻酔法を推奨する文献もあります。

 

AAEからも痛みのマネージメントに関する論文がダウンロードすることができます。

https://www.aae.org/specialty/wp-content/uploads/sites/2/2017/07/ecfeacutedentalpain.pdf

 

我々歯内療法専門医は毎日、そのような患者さんの治療にあたっています。IANBだけで対応できないケースは多々あります。エビデンスにより構築されたフローチャートを元に臨床にあたることで、ひとつひとつ問題を解決する論理的な臨床を行うことができるようになります。他の治療法でも同様ですが、科学的エビデンスやバイオロジーという理論を学ぶことにより、臨床は大きく変わります。DSJでは明日から臨床の変わる理論を共有できればと幸いです。皆さま、今年もどうぞ宜しくお願いいたします。