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【DSJ/デンタルスクウェアジャパン】歯科のデジタル化について

皆さまこんにちは。DSJボードメンバーの土屋嘉都彦です。年初めにデンツプライシロナ社のCEREC OMNICAMを導入しました。そこで、今回は歯科のデジタル化についてお話しします。

 

 

デジタル化を理解するためには、現在のアナログ的な考え方をデジタルに完全に移行する必要があり、単にアナログの延長上にデジタルがあるものではありません。例えば、支台歯形成ですが、光学印象を行うのであれば、従来の形成ではなく光学印象の原理原則を理解し、それに合わせた支台歯形成を行う必要があります。また、デジタル化するということは、単に「シリコン印象を省く」ことや、「石膏を使わないワークフローを形成する」ことではなく、デジタル化によって診療のワークフローを単純化し、快適な歯科診療を患者様に提供する事です。結果として、術者側にもストレスの少ない診療を提供してくれるものと考えます。よく話題に挙げられるのがデジタルフローで作られた補綴物の精度ですが、特に少数歯に関しては、光学印象でも十分な精度があるというエビデンスは多く示されており、議論をする必要すらないと考えます。

 

もう少し詳しくお話しするために、歯科のデジタル化の利点を三つ挙げると次の通りだと思います。

1.患者様へのアピール

2.患者様の負担軽減

3.治療の単純化、時間の短縮

 

利点2、3ですが、例えばインプラント治療であれば、アナログでは一般的に「インプラント体埋入→2、3カ月待つ→2次手術→印象→斬間補綴物→最終補綴物」という流れですが、デジタル化した診療の流れでは、症例は選びますが、CTと光学印象のデータを併用し、サージカルステントを使用することで、インプラント埋入前に最終のアバットメントをコンピューター上でデザイン、作製し、インプラント体埋入と同時に最終補綴物、もしくは斬間補綴をセットすることが理論的には可能です。更にフラップレス手術を行えば、患者様の外科的侵襲の軽減にもなります。

 

また、それとは逆に欠点を三つあげると次の通りだと思います。

1.コスト

2.症例を選ぶ必要がある

3.まだまだクローズドシステム

 

欠点1は、非常に大きな問題で中途半端に機械を揃えてもできることがまだまだ少なく、デジタル化しようとすると恐らく、CT、口腔内スキャナー、ミリングマシンまたは3Dプリンター、といった機材を揃える必要があり莫大なコストが掛かります。また欠点2ですが、例えば光学印象では「フルアーチのケースにはまだ精度に問題がある」ことや「唾液や金属など光の反射に影響するものがあると精密にスキャンできない」こと、「アナログの印象に比べて十二分に歯肉圧排しマージンを明確化する必要がある」ので、歯肉縁下深い症例などには不向き、といった事などのデジタル機器の特徴を理解する必要があります。欠点3ですが、まだデータの共有がメーカーによってはできておらず、このメーカーではできるけどこちらではできないといったことが起こり得ます。

 

このように、利点だけでなく欠点も多くまだまだ改善の余地がある歯科のデジタル化ですが、ゆっくりとただ確実に広がっていくと思います。自分自身もまだ手探りですが、DSJでもデジタル化の恩恵を皆様にお伝えできればと思います。

 

 

 

 

DSJボードメンバー:土屋 嘉都彦