治療計画、補綴修復、歯周病(インプラント)、歯内療法のスタディグループはデンタルスクウェアジャパン(DSJ)へ

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【DSJ/デンタルスクウェアジャパン】スペインの情熱にのせられて

皆さまこんにちは。DSJボードメンバーの築山鉄平です。去る10月5-7日にスペインのマドリッドで開催されたEAO(ヨーロッパインプラント学会)に参加いたしました。今回の目的は4つありました。

 

①マドリッド大学歯周病科教授 Dr. Mariano Sanzに講演依頼を頂戴したのでマドリッド大学で講義をさせて頂くため

 

②EAO(ヨーロッパインプラント学会)の認定医試験を受験するため

 

③EAOで最先端のインプラント治療学を学ぶため

 

④は初めて訪問するスペインを楽しむためです(笑)

 

その①<マドリッド大学で講義>

 

マドリッド大学歯周病科Prof. Mariano Sanzにお招き頂き、レジデントの先生方に2時間のレクチャーを行いました。歯周病の病因論から考えるPersonalized Medicineの将来や、EAO認定試験の書類審査に提出させて頂いた前歯部領域のインプラント治療の原理原則とその臨床応用に関してのお話です。もともと90分の予定でしたが、白熱して気がつけば2時間。。レジデントの先生から積極的な質問が飛び出し、海外の学生の積極さに改めて感心!留学時代の活発なディスカッションをふと思い出し、学ぶ気持ちの強さに国境は関係ないなと改めて感じました。その後はタフツ大学の後輩 Dr. Sanz Martinにマドリッド大学の施設を案内して頂き、その後彼が勤務する開業医を訪問しました。欧州は流石の石の文化だけあって歯科医院の床も壁も全部大理石!!の美しい歯科医院でした。マドリッドの中心にも関わらず全て個室でふんだんな空間、患者利益ファースト、人情溢れる経営者と勤務スタッフのおもてなしに大変感銘を受けました!

 

Prof Mariano Sanzからの招待状

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歯周病科教授のMariano Sanz先生と

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歯周病科レジデントにプレゼン中の私

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マドリッド大学歯周病科の教官たちと

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マドリッド大学歯学部の正門

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マドリッド大学歯学部の学食。人人人!!

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講義を受けて入る歯学部の学生たち

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専門医レジデント達のクリニック。ディスカッション中。設備は意外と古い

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マドリッド大学からDr.Nacho Sanz-Martinの勤務するオフィスで移動
寸暇を惜しんで移動中にCTガイドの発注を行う

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見学した歯科医院の入り口。歯周病専門医、矯正専門医
補綴専門医がチームアプローチを行なう専門にクリニック

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クリニックは非常に美しく、清掃が行き届いている

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Dr. Sanz-Martinのオペ風景

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その②③<ヨーロッパインプラント学会での認定医試験と最先端のインプラント治療学>

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ヨーロッパインプラント学会(European Academy of Osseointegration)通称EAOの認定試験に挑戦して参りました。私自身はアメリカで4年半の歯周病学とインプラント学、審美補綴治療を学んできましたが、2011年に日本に帰国して以来私自身の好む好まざるとに関わらず、アメリカ的な歯科医療哲学に染まった歯科医師と見られる傾向があることに気づきました。「グローバルスタンダード」という言葉は「エビデンスに基づく歯科医療」と同じくらい大雑把な言葉として、十把ひとからげで解釈されがちです。私自身、日本やアメリカのみならずヨーロッパの歯科医療にも見識を広げることでよりバランスの取れたメッセージをDSJでお届けできると思ってチャンレンジすることにいたしました。EAOインプラント認定医はユニークなことに学会に所属していなくても世界各国あまねく歯科医師に対して門戸が開かれていることが素晴らしい点だと言えます。

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EAOインプラント認定医はまず申請するために海外の正式なインプラントプログラムで250時間以上のインプラントに関する臨床トレーニングカリキュラムを受けている、しかるべき専門医2名からの推薦などの必要条件を満たす必要があります。そして6つの臨床状況にフィットする6症例を指定されたフォーマットにまとめて提出いたします。この第1段階に合格すると、EAO年次大会中に行われる筆記試験と口頭試験にお呼ばれし、その2つの試験に合格すると晴れて合格ということになります。今年は私も含めて4名の合格者が輩出されましたが、東京でご開業の荒井昌海先生と共に日本人が2名合格いたしました。また大変光栄なことに合格発表の後、改めて最優秀で合格したことを告げられ、合格発表の次の日に開催された「Certification Workshop」にスピーカーとして招待され提出した症例を中心に40分の講演依頼を頂き、会場とのディスカッションも大変盛り上がりました。

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EAO学会自体は最先端のインプラントといってもインプラント治療も円熟期を迎え、目を引くものは決して多くはなかったですが業界全体がアナログからデジタルへの移行、インプラント周囲炎、患者さん中心のインプラント治療、材料のジルコニア化などが中心であったように感じました。

 

EAO学会メイン会場。参加者は4,000人以上と盛況

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後輩のDr. Sanz-Martinもスピーカーでした

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九州大学歯学部を卒業してすぐにフライブルグ大学補綴科に留学された
西原先生。頼もしい後輩です

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EAOメイン会場での授賞式における合格証書授与

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EAO Presidentと壇上でセルフィーという
なんと斬新な演出で大変エキサイティングな経験

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左から私、東京都ご開業の荒井昌海先生、メキシコの先生、
イタリアの先生の合計4名が認定医合格を果たしました

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最優秀講演後に試験官の先生方と一緒に
左からProf. Mailath、Dr. Van Assche、Prof. Meijer

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講演中の私

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学会前のマドリッド大学での講義、認定医試験、今年度の認定医最優秀講演と大変忙しい5日間でしたが、他の講演からも色々とインスピレーションを貰ったので、また明日からの臨床、データ解析に励むことにします。留守のクリニックを守ってくれていたスタッフに本当に感謝しかありません。

 

その④<スペインの文化を経験>

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左からシアトルスタディクラブジャパンボードメンバーの筒井純也先生
私、南カリフォルニア大学歯周病科リサーチフェローDr. Seiko Min

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名門レアルマドリッドのスタジアム。でかい!!!

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レアルマドリッドのメディア用プレスルームにて

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ピカソのゲルニカが展示してあるソフィア妃美術館

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左から筒井純也先生、私、Dr. Seiko Min、西原ひろのぶ先生

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世界4大美術館のひとつプラド美術館の前で