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【DSJ/デンタルスクウェアジャパン】コロンビア大学歯内療法科の教育プログラムについて

デンタルスクウェアジャパン(DSJ)アドバイサリーボードメンバーで歯内療法コースを担当致します嘉村康彦です。当コースに主旨、コンセプトに関しては田中利典先生のブログを是非ご覧下さい。(http://dentalsquare-japan.com/news/archives/100

 

田中利典先生と私は米国コロンビア大学歯内療法専門医課程を修了した米国歯内療法専門医です。本ブログでは、コロンビア大学歯内療法科でどのような専門医教育が行われているのかをご紹介したいと思います。

 

1枚目の図は1年目、2枚目は2年目のスケジュールです。

 

ご覧の通り、レジデントは70〜80%の時間を診療時間として費やします。すべてのケースはファカルティに理論的、技術的指導を受けながら行っていき、私は2年間で非外科300ケース、外科40ケースを終了しました。

1年目はクリニックと並行し、生化学、生理学、病理学や解剖学などの基礎科学の授業があります。もちろん歯内療法に関しての論文抄読や講義などには多くの時間が割かれ、1週間で15〜20本程の文献を読み、それを批判的に吟味して臨床に反映していきます。理論のある臨床を行うことで、思考が整理され、臨床力は格段に向上すると感じました。またコロンビア大学ではDr. Tarnowがインプラント科教授として教鞭をとっており、毎週2回彼の講義、クリニカルカンファレンスに参加して、Interdisplinaryな視点でエビデンスを学び、クリニックでは一緒に学んでいる他科のレジデントと共通見解のもと、治療を進め、臨床力を高めていきます。時にはかなり激しい議論を繰り返しながら、チームアプローチを学びました。

 

2年目になるとクリニックでの診療時間が増え、理論をいかに臨床に生かしていくかをさらに深く学びます。また卒後にどのような身の振り方をするか、もしくはどのような歯科医院を作りたいかなどのPractice Manegementに関しての講義が行われます。

 

米国では専門医は専門分野を持ち、GP(General Practitioner:一般歯科医師)と連携をとり、1人の患者の治療を進めて行きます。医科に置いては想像しやすいですが、内科がかかりつけ医、身近な専門医として耳鼻科や眼科などがあるイメージです。Evidence-Based-Dentistryが一般的になった今、歯科の知識は膨れ上がり、日本の歯科医療も分業化、専門医制度が必要な時代になってきているのは明白です。インターネットの普及により、世界の知識は手の届く範囲になり、自分で情報を得ていかない限り、知識、技術をアップデートすることはできません。専門医とGPが連携することにより、その分野の専門医が最善のもしくはフェアーな治療法を提供、GPも自身の範疇である治療に専念できます。DSJではGPの守備範囲とその治療法、専門医とのシナジーなどを中心に我々が持つ知識や経験だけなく、歯科医療理念や歯科医療倫理などについても活発に議論し、皆さまと共有することができたら幸いです。